【庭記】日本庭園の最高峰・後楽園の美しさと見どころ

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こんにちは。今日は岡山にある日本三名園のひとつ、「後楽園」について、造園のプロである庭師の目線からその魅力をたっぷりご紹介します。わかりやすく、かつ奥深く感じていただけるよう、見どころを交えてお伝えします。

🌿 後楽園とは?歴史と概要

後楽園は、岡山藩主・池田綱政が1687年に作庭を命じた庭園で、完成は1700年。以来、藩主の迎賓や休息の場として用いられ、現在は国の特別名勝にも指定されています。

🌸 庭師から見た後楽園の「技術的な凄さ」

1. 池泉回遊式庭園の極致

後楽園は、中央に大きな「沢の池」があり、その周囲を巡るように遊歩道が整備された「池泉回遊式庭園」です。視点が移るたびに新たな景観が現れるよう、歩く人の目線をデザインするのが庭師の腕の見せ所。

🔍 ポイント:視線の誘導と遮断(隠し景)で自然のドラマを演出

2. 田園の風景を「庭」に取り込む

庭の中に田畑や茶畑があるのが後楽園の大きな特徴。「自然を模す」だけでなく、「自然と暮らしをそのまま庭にする」という設計思想がユニークです。

3. 四季の植栽と年中行事

春には桜、初夏は花菖蒲、秋は紅葉、冬は雪吊りと雪景色——。後楽園は四季のリズムを繊細に表現した庭です。剪定も「刈り込む」のではなく、あえて枝を透かして“自然な姿”を引き出す「透かし剪定」が多用されています。

🪚 庭師のこだわり:人工美ではなく、自然美を引き出す剪定技術

📸 後楽園の見どころ

🏞 沢の池と唯心山

築山「唯心山」からは後楽園全体が見渡せ、晴れていれば岡山城も見えます。池の中を泳ぐ鯉や水鳥も風情があり、カメラ好きにも絶好のスポット。

🍵 延養亭と茶室の文化

延養亭や茶室では、障子や縁側越しに庭を“見る”という楽しみも。運がよければ、季節の茶会や特別公開に出会えることもあります。

🌙 ライトアップで感じる“影の美”

夜間ライトアップのときに訪れると、日中とはまるで違う表情が。特に紅葉や雪景色の時期には、光と影が織りなす**日本独特の“陰影礼賛”**の世界が広がります。

📝 後楽園が伝えるもの

庭は自然の縮図であり、文化の結晶です。後楽園には、見て美しいだけでなく、「自然との共生」「人と風景のつながり」など、私たちが忘れかけている大切な価値観が詰まっています。

何気ない石の配置、一本の松の枝ぶりにも、職人の想いと技術が込められています。

✅ 訪問のコツとまとめ

・おすすめの時間帯:朝の早い時間。朝露に濡れる芝生や水面は格別です。

・季節のイベント:花菖蒲まつり、茶会、紅葉ライトアップなどは必見。

・撮影ポイント:唯心山、延養亭、正門前の芝生広場。

📍アクセス情報・公式リンク

・所在地:岡山県岡山市北区後楽園1-5

・公式サイト:岡山後楽園 公式ページ

・開園時間:季節によって変動あり(通常は7:30~18:00)

・入園料:大人410円、小中学生140円(2025年現在)

🌸 最後に

後楽園は、庭園としての完成度の高さはもちろん、四季折々の感動、そして人の手が自然とどう共生できるかを学べる場所でもあります。

ぜひ一度、五感を使って歩いてみてください。

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